Chemistry Labs

国際化学オリンピック · 2009年

問題

  1. 問題 1アボガドロ定数 NAN_A は3つの独立した方法で決定できる。(方法A) X線回折により、金は一辺 a=0.408a = 0.408 nm の面心立方格子で結晶化し、Au の密度は 1.93×104 kg m−31.93 \times 10^{4}\ \text{kg m}^{-3}、M(Au)=196.97 g mol−1M(\mathrm{Au}) = 196.97\ \text{g mol}^{-1} である。(方法B, Rutherford 1911) 精製した 192 mg の X226X22226Ra\ce{^{226}Ra} 試料を40日間放置すると総 α\alpha 崩壊速度は 27.7 GBq となり、さらに163日間密閉すると 101325 Pa, 273 K で 10.4 mm3\text{mm}^3 の He が生じる。(方法C, Perrin 1909) 半径 2.12×10−72.12 \times 10^{-7} m、密度 1.206×103 kg m−31.206 \times 10^{3}\ \text{kg m}^{-3} の球状コロイド粒子を 15 \°C の水 (ρ=999 kg m−3\rho = 999\ \text{kg m}^{-3}) に懸濁すると Boltzmann 分布に従い、ln⁡(nh/nh0)\ln(n_h/n_{h_0}) 対 (h−h0)(h - h_0) のプロットの傾きは −0.0235 μm−1-0.0235\ \mu\text{m}^{-1} となる。各方法で NAN_A を求めよ。解答: 1
  2. 問題 2星間空間では、衝突した2個のH原子が結合エネルギーを散逸できないため、HX2\ce{H2} は塵粒子表面で生成する。吸着速度定数 ka=1.4×10−5 cm3 s−1k_a = 1.4 \times 10^{-5}\ \text{cm}^3\ \text{s}^{-1}、H原子数密度 [H]=10 cm−3[\ce{H}] = 10\ \text{cm}^{-3}、一次脱離定数 kd=1.9×10−3 s−1k_d = 1.9 \times 10^{-3}\ \text{s}^{-1}、表面反応定数 kr=5.1×104 s−1k_r = 5.1 \times 10^{4}\ \text{s}^{-1}(表面原子数は濃度と同様に扱える)。モデルAは反応を二次とする:dN/dt=ka[H]−kdN−krN2dN/dt = k_a[\ce{H}] - k_d N - k_r N^2。モデルBは粒子1個あたり0, 1, 2個に限り、割合 x0,x1,x2x_0, x_1, x_2 で、速度は吸着 ka[H]xmk_a[\ce{H}]x_m、脱離 kd m xmk_d\,m\,x_m、反応 12kr m(m−1)xm\tfrac{1}{2}k_r\,m(m-1)x_m。(a) 定常状態の NN と粒子1個あたりの HX2\ce{H2} 生成速度を各モデルで求めよ。(b) 計算機シミュレーションの真値は 9.4×10−6 s−19.4 \times 10^{-6}\ \text{s}^{-1}。どちらのモデルが一致し、律速段階はどれか。解答: 1