- 問題 1不均一系触媒によるプロペンの製造。プロペンは石油化学産業で最も重要な化学品の一つであり、不均一系触媒上でのプロパンの直接脱水素 CX3HX8(g)CX3HX6(g)+HX2(g) により合成できるが経済的に実現困難である。平均結合エンタルピーの関係式:Hbond(C=C)=1.77Hbond(C−C)、Hbond(H−H)=1.05Hbond(C−H)、Hbond(C−H)=1.19Hbond(C−C) を用いる。(a) プロパンの直接脱水素のエンタルピー変化を Hbond(C−C) の式で求めよ。(b) 定温で圧力を上げてもプロペン量を増やしにくい——この現象を最もよく説明する法則・原理はどれか。(c) 平衡系について、ΔH、ΔS の符号と、初めの温度より高い T∗ に上げたときの ΔG の変化の向きを答えよ。解答: 1
- 問題 2動力学的同位体効果(KIE)とゼロ点振動エネルギー(ZPE)。調和振動子モデルにより振動数は ν=2π1μk(k は力の定数、μ=m1+m2m1m2 は換算質量)。振動エネルギーは En=(n+21)hν(n=0,1,2,…)、ゼロ点エネルギーは ZPE=21hν。(a) m(C)=12.00 u、m(H)=1.008 u、m(D)=2.014 u として換算質量 μCH と μCD を統一原子質量単位(u)で計算せよ。(b) kCH=kCD、C−H 伸縮波数が ν~CH=2900 cm−1 のとき、C−D 伸縮波数 ν~CD(cm−1)を求めよ。(c) ZPECH と ZPECD を kJ mol−1 で計算せよ。(d) 結合解離エネルギーの差 ΔBDE=BDECD−BDECH(kJ mol−1)を計算せよ。(e) Ea≈BDE かつアレニウス頻度因子が同一と仮定して、25 ∘C における理論的一次KIE kCH/kCD を計算せよ。(f) ジフェニルメタノールのクロム酸酸化で測定された一次速度定数は kCH=0.012 min−1、kCD=0.0018 min−1 であった。この比を理論値と比較し、C−H 結合切断が律速段階であるか判断せよ。解答: 1