有機化学
求電子付加・求核付加
π電子に富むアルケンへの求電子付加と、カルボニルなど分極したπ結合への求核付加を学び、位置選択性と立体化学を理解する。
直観直観:π結合の両端に付加する
π結合はσ結合より反応に関与しやすく、二つの新しいσ結合に置き換わる。アルケンでは求電子剤がπ電子と先に反応することが多い。一方カルボニルでは、分極した炭素が求電子的で求核剤を受け入れる。
学校学校レベル:反応パターンを見分ける
定義: 付加反応
多重結合の両端に二つの原子または基が結合し、主反応物から原子を失わずに結合次数が低下する反応。
非対称アルケンでは異なる構造異性体が生じ得る。Markovnikov則は多くのイオン機構によるHX付加に有用な傾向だが普遍則ではない。ラジカル条件、転位、基質効果で結果は変わる。
大学大学レベル:極性が電子の流れを導く
| 基質のπ結合 | 最初に攻撃する種 | 典型的な初段階 | — | — |
|---|---|---|---|---|
| C=C(アルケン) | 求電子剤 | π電子が攻撃し、カルボカチオンまたは架橋中間体を生じ得る | ||
| C=O(カルボニル) | 求核剤 | 求電子性炭素への攻撃;四面体中間体 |
例
通常のイオン条件でプロペンにHBrを付加したときの主生成物を予測し、機構上の理由を述べよ。
解答
通常は2-ブロモプロパンが主生成物となる。より安定な第二級カルボカチオンを与える向きのプロトン化が有利で、その後Br⁻が捕捉する。この予測は過酸化物開始のラジカル反応がない条件を仮定する。
上級発展:中間体と立体化学制御
カルボカチオン安定性、隣接基関与、イオン対の再結合は求電子付加に影響する。架橋ハロニウムイオンは、自由なカルボカチオンを介さないanti付加を説明することが多い。カルボニル付加は求核剤の硬さ、置換度、配位、プロトン移動の時期に依存する。平面カルボニルは両面攻撃で不斉中心を生じ得て、面選択性は分子環境が決める。