Chemistry Labs

10年生

イオン結合・共有結合・金属結合

イオン間引力・共有電子対・非局在化した金属電子を比べ、固体の導電性・融解・脆さの違いを説明する。

直観直観:粒子と変化

塩の結晶は割れやすく、銅は電気を通し、ろうは低温で溶ける。原子やイオンを結びつける仕組みが異なるためである。

結合の種類を切り替える:電子移動(イオン結合)、共有電子対(共有結合)、自由電子の海(金属結合)。
塩化ナトリウム(岩塩型構造、NaCl)の3D結晶格子。面心立方格子でNa⁺とCl⁻が交互に並ぶ。
NaCl岩塩型の単位格子:各ナトリウムイオンは6個の塩化物イオンに囲まれ、逆も同様である。

学校学校段階:モデルと規則

定義: 要点

イオン結晶は反対電荷イオン間の静電引力で保たれ、共有結合は原子間で電子密度を共有し、金属では非局在価電子が正の原子核を結びつける。

塩化ナトリウムは孤立したNaCl分子の集合ではなくイオン格子である。電子移動は理解のための模型で、結晶の安定性は格子全体の引力による。

3つの結合モデル
結合の種類結びつけ方典型的性質
イオン反対イオン間の引力脆い;融解・溶解で導電
共有共有電子対分子結晶は軟、網目結晶は硬
金属非局在電子が陽イオン格子を結合固体で導電、展性あり
Na→NaX++eX−,Cl+eX−→ClX−\ce{Na -> Na+ + e-},\qquad \ce{Cl + e- -> Cl-}
NaX++ClX−→NaCl(s)\ce{Na+ + Cl- -> NaCl(s)}

例: 例題

固体の塩化ナトリウムは不導体なのに、融解すると導電するのはなぜか。

解答

固体格子ではイオンが固定され、電荷を運べない。融解するとイオンが動いて電荷を運ぶ。

例: もう一題

固体として導電するのは銅・NaCl結晶・乾燥砂糖のどれか。

解答

銅だけが導電する。金属結合では電子が動いて電荷を運ぶ。NaClは融解・溶解時のみ導く。砂糖は導かない。

共有結合はH₂Oのような分子やダイヤモンドのような網目構造をつくる。金属は電子が移動でき、イオン固体は融解・溶解してイオンが動けるとき導電する。

適用モデルは原子と電気陰性度による。NaClはイオン結合、H₂Oは共有結合、Cuは金属結合。実際の結合は理想型の間を連続的に変化する。

大学さらに詳しく

より深い段階では、関与する粒子と不変量に基づいて観察を整理する。電荷・電子密度・粒子数を表すモデルのうち、測定事実を説明できる最小のものを選ぶ。

例: 計算・応用例題

Cl–Cl、C–H、Na–Clをイオン性の低い順(共有結合性が高い順)に並べよ。

解答

Cl–Cl(Δχ = 0、無極性共有結合)< C–H(Δχ ≈ 0.35、弱極性共有結合)< Na–Cl(Δχ ≈ 2.2、主としてイオン結合)。