高校 · 12分
濃度による平衡移動:チオシアン酸鉄(III)錯体
血赤色の錯体 を平衡自身の可視センサーとして使う。試薬の追加・除去ごとに色が一方へ動く。
目的
溶液中のイオン平衡にルシャトリエの原理を適用し、反応物除去を含む 6 種の撹乱に対する色変化を予測する。
器具と試薬
0.1 mol/L の FeCl₃ と KSCN 溶液、AgNO₃、NaF、蒸留水、試験管とスポイト。
手順
- 基準平衡を選び、錯体容器の赤の濃さを記録する。
- Fe³⁺、ついで SCN⁻ を加える。それぞれ から移動方向を予測してから色を見る。
- Ag⁺(AgSCN 沈殿)と F⁻(無色の 生成)を加える。相手を除くことでも平衡が動く理由を説明する。
- 混合物を水で希釈し、溶液中平衡の反応商で褪色を説明する。
観察すること
- Fe³⁺ や SCN⁻ の添加で赤が濃くなり、遊離イオンを奪う Ag⁺ や F⁻ の添加で黄色へ薄まる。
- 試薬を消費しなくても希釈で色が薄まる。平衡は溶存粒子の多い側へ移動する。
解説
()では、 と の比較で移動を予測できる。反応物を増やせば で錯体生成へ。Fe³⁺( として)や SCN⁻(AgSCN として)を除けば で錯体は解離する。希釈は全濃度を下げ、種の多い側(2 対 1)を有利にする。 自体は不変。
実験の歴史
の呈色反応は 19 世紀から鉄の検出に使われた。 と違い、あらゆる撹乱がスポイトの一滴で済むため、ルシャトリエの実演として定番となった。
ゆかりの化学者
関連トピック
バーチャル実験は直感をつかむための簡略化したモデルです。実際の実験や安全教育の代わりにはなりません。指導者なしに自宅で再現しないでください。