高分子化学
ゴム・プラスチック・繊維
高分子鎖の構造と鎖間相互作用を、ゴム・プラスチック・繊維の異なる性質に結び付け、合成・加工・用途の例を学びます。
直観長い分子の仲間から生まれる多様な材料
高分子材料は単一の剛体ではなく、長い分子の集まりです。鎖が互いに滑れば柔らかいプラスチックになり、少数の点で結ばれればゴムのように形を戻し、配向して強く引き合えば丈夫な繊維になります。
学校構造・性質・材料の分類
定義: エラストマー
大きく変形しても主に可逆的に戻る高分子です。柔軟な鎖は荷重でほどけ、荷重を除くと戻ります。疎な架橋網目が永久流動を防ぎます。
定義: 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
熱可塑性樹脂は鎖が恒久的な共有結合網目を作らないため、加熱で軟化し再成形できる場合が多い。熱硬化性樹脂は硬化して網目を形成し、再加熱しても溶融せず、過熱すれば化学分解します。
| 材料 | 鎖構造と代表的な挙動 |
|---|---|
| エラストマー | 柔軟な鎖と疎な架橋;大きく伸びて戻る |
| 熱可塑性樹脂 | 線状または分岐鎖;加熱で軟化・流動 |
| 熱硬化性樹脂 | 共有結合網目;硬く、再加熱で溶融しない |
| 繊維 | 長鎖が繊維軸に沿って配向;高い引張強さ |
名称は異なる観点を表します。熱可塑性/熱硬化性は熱応答と網目構造、エラストマーは力学応答、繊維は形状と配向を指します。一つの材料が複数に当てはまることもあります。
付加重合では C=C 結合が開き、小分子を脱離せずに単量体単位が連結します。ポリエチレンの繰返し単位は –CH₂–CH₂– で、鎖長・分岐・結晶化度が性質を大きく左右します。
例: 重合度の簡単な見積もり
理想的なポリエチレン鎖のモル質量は 28,000 g mol⁻¹ です。–CH₂–CH₂–単位を 1 個あたり 28.0 g mol⁻¹ とし、末端基を無視して繰返し単位数を見積もります。
解答
繰返し単位数は約 28,000 ÷ 28.0 = 1,000 です。重合度は約 10³ ですが、実試料には鎖長分布があります。
定義: 天然ゴムと加硫
天然ゴムは主に cis-1,4-ポリイソプレンです。硫黄加硫は鎖間に架橋を形成します。架橋が少なすぎるとクリープや粘着が生じ、多すぎると鎖運動が制限され、硬く伸びにくくなります。
繊維強度は高分子の種類だけでは決まりません。延伸で鎖を配向させ、鎖間相互作用と結晶性が荷重伝達を助けます。ナイロンやポリエステルは合成繊維で、再生セルロースは新しい単量体の重合ではなくセルロースの加工で作られます。
参考文献
- Textbook of Polymer Science, 3rd Edition · Fred W. Billmeyer, Jr., 1984