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物理化学

活性化エネルギー・アレニウスの式

加熱すると反応が速くなる理由と、エネルギー障壁の高さが速度を決める仕組み。

直観直観:エネルギーの高い衝突だけが効く

分子は衝突しなければ反応できないが、ほとんどの衝突は跳ね返るだけである。結合が切れるのは、衝突する分子が十分なエネルギー、すなわち活性化エネルギー EaE_a をもつときだけだ。温度は分子の数を変えるのではなく、十分なエネルギーをもつ分子の数を変える。

A と B の粒子が衝突する3Dの箱。衝突のエネルギーが十分なときだけ C になる。
温度を上げる、触媒を加える、Ea を大きくする、のそれぞれで C のできる速さを比べよう。数秒で反応が見えるよう、エネルギーは縮小してある(Ea ÷ 8)。

学校学校レベル:温度と速度

大まかな目安として、室温付近の多くの反応は 10 °C 上がるごとに 2〜3 倍速くなる。ただしこれは近似で、実際の倍率は EaE_a と温度そのものによる。触媒は EaE_a の低い経路を与えて反応を速め、自身は消費されない。

大学大学:アレニウスの式

k=A e−Ea/RT⟺ln⁡k=ln⁡A−EaR⋅1Tk = A\,e^{-E_a/RT}\qquad\Longleftrightarrow\qquad \ln k = \ln A - \frac{E_a}{R}\cdot\frac{1}{T}

因子 e−Ea/RTe^{-E_a/RT} は EaE_a を超えるエネルギーをもつ衝突の割合(ボルツマン因子)で、AA は衝突頻度と向きの条件をまとめたものである。ln⁡k\ln k を 1/T1/T に対してプロットすると傾き −Ea/R-E_a/R の直線になり、これが活性化エネルギーの測定法である。

例: 10 K で速度が2倍

速度定数が 300 K から 310 K で2倍になった。EaE_a を見積もりなさい。

解答

Ea=Rln⁡2/(1300−1310)=8.314×0.693/1.075×10−4≈5.4×104E_a = R\ln 2 \big/ \left(\tfrac1{300} - \tfrac1{310}\right) = 8.314 \times 0.693 / 1.075\times10^{-4} \approx 5.4\times10^{4} J/mol、約 54 kJ/mol。