Chemistry Labs

12年生

電気分解・腐食と金属の防食

電気で反応を逆向きに進ませること、そして錆の背後にある同じ電気化学。

直観直観:逆向きに動かした電池

ガルバニ電池は自発反応から電気をつくる。電気分解では外部電源が電子を逆向きに押し、水の分解のような非自発反応を進ませる。酸化は今もアノード、還元はカソードで起こるが、今度はアノードが正極、カソードが負極になる。

3Dのホフマン電解装置。左の管に水素、右の管に酸素がたまり、隅に体積が表示される。
電流と時間を変えてみよう。HX2\ce{H2} の体積は常に OX2\ce{O2} の2倍で、電気量 ItIt に比例して増える。

学校学校レベル:ファラデーの法則

n(e−)=ItF,m=M I tz F,F=96485 C/moln(e^-) = \frac{It}{F},\qquad m = \frac{M\,I\,t}{z\,F},\qquad F = 96485\ \text{C/mol}

例: 銅めっき

CuSOX4\ce{CuSO4} 溶液に 2.0 A の電流を 30 分間流した。陰極に析出する銅の質量は?

解答

Q=It=2.0×1800=3600Q = It = 2.0 \times 1800 = 3600 C より n(e−)=3600/96485=0.0373n(e^-) = 3600/96485 = 0.0373 mol。CuX2++2 eX−→Cu\ce{Cu^2+ + 2e- -> Cu} は原子1個あたり電子2個を要するので n(Cu)=0.0187n(\ce{Cu}) = 0.0187 mol、m=0.0187×63.55≈1.19m = 0.0187 \times 63.55 \approx 1.19 g。

水の電気分解では、陰極で 2 HX2O+2 eX−→HX2+2 OHX−\ce{2H2O + 2e- -> H2 + 2OH-}、陽極で 2 HX2O→OX2+4 HX++4 eX−\ce{2H2O -> O2 + 4H+ + 4e-} が起こる。OX2\ce{O2} 1個に電子4個、HX2\ce{H2} 1個には電子2個が必要なので、体積比は 2 : 1 になる。

大学大学:短絡した電池としての腐食

錆は鉄の表面にできた微小なガルバニ電池である。鉄がむき出しの所はアノードとして Fe→FeX2++2 eX−\ce{Fe -> Fe^2+ + 2e-}、酸素と水のある別の所ではカソード反応 OX2+2 HX2O+4 eX−→4 OHX−\ce{O2 + 2H2O + 4e- -> 4OH-} が起こる。生成物は Fe(OH)X2\ce{Fe(OH)2} を経て、最終的に含水酸化鉄(III)、つまり錆になる。

鉄を守るには、塗装や亜鉛めっきで覆うか、亜鉛やマグネシウムのような酸化されやすい金属とつなぐ。「犠牲陽極」が代わりに腐食する。亜鉛が効くのは E∘(ZnX2+/Zn)=−0.76E^\circ(\ce{Zn^2+/Zn}) = -0.76 V が E∘(FeX2+/Fe)=−0.44E^\circ(\ce{Fe^2+/Fe}) = -0.44 V より低いからである。