Chemistry Labs

12年生

オゾン層・温室効果

成層圏オゾンは生物を紫外線から守り、温室効果ガスは地表から出る赤外線を吸収して下層大気を暖めます。光化学、分子振動、地球の放射収支を通じて、この二つの異なる過程を説明します。

直観大気の二つの異なる働き

高高度のオゾンは有害な紫外線の多くを吸収しますが、地表付近ではオゾン自体が大気汚染物質です。温室効果ガスは別の問題で、地球が放出する赤外線の特定波長を吸収し、宇宙への熱放出を遅らせます。

Chapman のオゾン循環と塩素による触媒分解、および温室効果の層構造を切り替えて観察します。紫外線吸収、入射太陽光、放出赤外線、大気からの下向き放射を追ってください。

学校学校レベル:成層圏のオゾン

Chapman サイクルは、太陽光によるオゾンの生成と分解を表します。短波長の紫外線が酸素分子を分解し、酸素原子が O₂ と結合してオゾンを作ります。オゾンも紫外線を吸収して再び分解されます。

OX2→hν2 OO+OX2+M→OX3+MOX3→hνOX2+OO+OX3→2 OX2\ce{O2 ->[h\nu] 2 O}\qquad\ce{O + O2 + M -> O3 + M}\\\ce{O3 ->[h\nu] O2 + O}\qquad\ce{O + O3 -> 2 O2}

定義: オゾン層破壊物質

クロロフルオロカーボン(CFC)は下層大気で安定です。成層圏では高エネルギー紫外線が C–Cl 結合を切り、塩素ラジカル Cl· を放出します。Cl· はオゾンの触媒分解に関与します。

CFClX3→hνCFClX2X ∙ +ClX ∙ \ce{CFCl3 ->[h\nu] CFCl2^. + Cl^.}
ClX ∙ +OX3→ClOX ∙ +OX2ClOX ∙ +O→ClX ∙ +OX2net: OX3+O→2 OX2\ce{Cl^. + O3 -> ClO^. + O2}\qquad\ce{ClO^. + O -> Cl^. + O2}\\\text{net:}\ \ce{O3 + O -> 2 O2}

Cl· は反応後に再生するため、貯蔵化合物へ移るまでに多くのオゾン分子を破壊できます。極成層圏雲の表面反応は比較的不活性な塩素貯蔵種を変換し、春の日光が戻ると反応性塩素を放出して、南極の季節的オゾンホールに寄与します。

1987 年のモントリオール議定書は多くのオゾン層破壊物質の生産・消費を規制します。世界的な段階的削減によりオゾン層は回復し始めましたが、寿命の長い物質のため回復には数十年かかります。

学校学校レベル:温室効果

地球は太陽光を吸収し、その後赤外線を放出します。温室効果ガスは特定波長の赤外線を吸収して再放射し、その一部は地表へ向かいます。この自然な効果によって地表は大気のない場合より暖かくなります。温室効果ガスの濃度上昇は効果を強めます。

Te=(S(1−A)4σ)1/4≈255 K;Ts≈288 KT_e=\left(\frac{S(1-A)}{4\sigma}\right)^{1/4}\approx255\ \mathrm{K};\qquad T_s\approx288\ \mathrm{K}

例: 地球の有効温度

太陽定数 S=1361 W m⁻²、惑星アルベド A=0.30、ステファン・ボルツマン定数 σ=5.67×10⁻⁸ W m⁻² K⁻⁴ として、有効放射温度を見積もります。

解答

平衡時、球面平均の吸収太陽フラックスは S(1−A)/4≈238 W m⁻² です。これを σT⁴ に等しくすると T≈255 K(約 −18 °C)となります。実際の地表平均温度は約 288 K(15 °C)で、その約 33 K の差は自然温室効果を示します。ただし単一で均一な大気層の温度差ではありません。

主な温室効果ガス
気体主な特徴
CO₂燃焼・土地利用変化;長寿命
CH₄湿地・農業・化石燃料;100 年 GWP は CO₂ より大きい
N₂O農業・工業;長寿命
水蒸気最も豊富な天然温室効果ガス;濃度は温度に速やかに応答

赤外吸収は、分子の振動・回転によって双極子モーメントが変化すると起こります。CO₂ の変角振動と逆対称伸縮振動は赤外活性ですが、対称伸縮振動は赤外不活性です。N₂ と O₂ はこの機構で強く吸収せず、H₂O、CH₄、N₂O には赤外活性モードがあります。

100 年地球温暖化係数(IPCC 第6次評価報告書の代表値)
気体CO₂=1 とした GWP₁₀₀
CO₂1
CH₄(非化石起源)約 27
N₂O約 273

例: CO₂換算したメタン

非化石起源メタンを 2.0 kg 排出するとします。GWP₁₀₀≈27 を用いて CO₂ 換算量を見積もります。

解答

CO₂e = 質量 × GWP₁₀₀ = 2.0 × 27 ≈ 54 kg CO₂e です。この比較は 100 年間の気候影響を積分したもので、メタンと CO₂ の寿命や各時間尺度での影響が同じという意味ではありません。

大学大学への展望:吸収と放射強制力

狭い波長帯では Beer–Lambert 則により I/I₀ = exp(−σN) と表されます。σ は吸収断面積、N は吸収分子の柱密度です。実際の大気柱では温度・圧力・雲・吸収帯の重なり・放射も関係するため、この式は出発点であり完全な気候モデルではありません。

ΔF≈5.35ln⁡(C/C0) W m−2\Delta F\approx5.35\ln(C/C_0)\ \mathrm{W\,m^{-2}}

例: CO₂ が 280 ppm から 420 ppm へ増えたときの強制力

近似式 ΔF≈5.35 ln(C/C₀) W m⁻² を用いて、C₀=280 ppm、C=420 ppm の強制力を見積もります。

解答

ΔF≈5.35 ln(1.5)=5.35×0.405≈2.17 W m⁻² です。これは放射収支の変化の推定値であり、最終的な温度応答はフィードバックと海洋の熱吸収にも左右されます。

参考文献