理論・計算化学
振動・回転・電子スペクトル
分子のエネルギー準位構造を回転・振動回転・振電スペクトルに結び付け、線位置と強度から分子の性質を読み取ります。
直観三つのエネルギー尺度と三つのスペクトル領域
分子は回転・振動し、電子状態も変化します。通常、回転準位の間隔は最も小さく、振動、電子励起の順に大きくなります。許容された準位差に光子エネルギーが一致すると吸収が起こります。
COの回転線、P/R枝を持つHCl振動回転帯、フランク–コンドン振電進行を切り替えて比較します。学校線位置を読む
定義: 波数
光子エネルギーは波数 ν~=1/λ(cm−1)で表すことが多く、E=hcν~ です。
EJ=hcBJ(J+1),ν~J→J+1=2B(J+1) 剛体二原子回転子では、隣接する回転吸収線の間隔は約 2B です。B=h/(8π2Ic) なので、慣性モーメントが大きいほど線間隔は狭くなります。
例: 回転線間隔の見積もり
B=1.93 cm−1 の分子で、剛体回転子の隣接線間隔はいくらですか。
解答
2B を用いると、間隔は 3.86 cm−1 です。
大学振動回転構造
G(v)=ωe(v+21)−ωexe(v+21)2;Fv(J)=BvJ(J+1) 調和振動子では振動準位は等間隔ですが、実在の結合は非調和的で、解離に近づくほど間隔が狭まります。振動回転遷移では両方の量子数が変化します。二原子分子の電気双極子帯では ΔJ=±1 により P 枝と R 枝が生じ、Q 枝がないため帯原点付近に間隙ができます。
| 運動 | 代表的領域 | 得られる情報 |
|---|
| 回転 | マイクロ波・遠赤外 | 慣性モーメントと構造 |
電子吸収には振動構造が現れることが多い。電子遷移が速く、その間に核はほとんど動かない(フランク–コンドン原理)ためです。強度包絡線は二つの電子状態の振動波動関数の重なりで決まります。
Iv′v′′∝∣⟨χv′(e′)∣χv′′(e′′)⟩∣2